皆さん、こんにちは!!!日に日に暑くなり、夏が近づく気配を感じている、参画部の遠藤舞依です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、以前に行われた研修2 : 「SDGsとは」の続きとなります。講義のテーマとして、「SDGsの策定や、フォローアップとレビューのメカニズムについて」と「日本のSDGsの現状」について、JYPS事務局長の倉石から講義がありました。
SDGsの策定プロセスについて
SDGsを実施していく上でポイントとなる、Multi - Level Governanceというものがあります。これは、各国のSDGsに関わる取り組み・進捗状況の共有や、さらなるアクションを勧告提供する会合のことです。毎年行われる関連の会議は各レベルに分かれており、グローバル、地域、サブ地域、と段階ごとの会議において、各国の進捗や課題が共有されます。
また、プロセスの中で様々な人々の参画を確保する仕組みとして、「国連メジャーグループ」が設置されています。例として、「女性」「子ども・若者」「農業者」「先住民」「NGO」「自治体」「労働組合」「科学・テクノロジー」「ビジネス・産業」などが挙げられます。このうちの1つである、「若者」のメジャーグループが存在することにより、若者が声を上げられる場も確保されている、ということです。「Leave No One Behind」という言葉からも分かるように、活動のターゲットどんな人相手にも対策を施すという考え方が重要です。そして、活動を動かしていく主体として、バックグランドに関係なく国連の活動に参画できるガバナンスがあります。
日本のSDGs達成の現状
続いては、日本におけるSDGsの進捗・達成状況についてを教わりました。
みなさんは、SDGsの評価基準として有名な、「Sustainable Developement Report (出版: Bertelsmann Stiftung and Sustainable Development Solutions Network)」をご存知でしょうか。このレポートでは、各国のSDGs達成状況をデータ分析を用い、わかりやすくレポートにしています。また、各国のランキングやゴール別の進捗状況など、詳細に現状を可視化しているので参考になります。
(Bertelsmann Stiftung and Sustainable Development Solutions Network, “Sustainable Development Report 2019”, (閲覧日:2020/05/23))
(上記レポート, p.248~249)
上の図において、SDGsの17個のゴールのうち、緑色で示されているものは「ほぼゴールを達成している」とみなされているもので、日本は教育・経済・インフラなどの分野で高く評価されています。黄色は「緩やかな進歩が続いている」という意味で、日本ではSDGsの1番、3番、6番、8番、16番が評価されています。オレンジ色は「停滞」している分野であり、2番、7番、10番、11番、14番、15番がこれに当たります。そして、赤色は「後退」です。ジェンダー平等、責任ある消費と生産、気候変動に対する対策、パートナーシップの点で日本はまだまだ評価が低く、今後の課題となっています。
日本政府の対応
では、日本政府がいかにSDGsに取り組んでいるのか、何を対策として打ち立てているのか。
日本政府が出している「SDGs実施指針」「SDGsアクションプラン2020」によると、日本が今後力を入れていく8分野が説明されています。
①あらゆる人々の活躍の推進
②健康・長寿の達成
③成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
④持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
⑤省エネ・再エネ、気候変動対策、循環型社会
⑥生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
⑦平和と安全・安心社会の実現
⑧SDGs実施推進の体制と手段
特に、講義では、最後の「SDGs実施推進の体制と手段」に関して、SDGs推進本部が「次世代のSDGs推進プラットフォーム」を立ち上げていることに着目されました。このプラットフォームには、7つの組織が選出されており、そのうちの1つはJYPSです。今後も、SDGsの達成に向けたパートナーシップの構築が重要となります。
最後に、講義を踏まえ行われたQ&Aセッションの中から、1つの質問について紹介します。
→Q:国家の予算案にSDGsの取り組みへの予算を盛り込んでいる国が18カ国だけしかありません。予算案に盛り込もう、というようにはならないのでしょうか?
A. 政治の世界の話になってしまうのですが、予算案を実際に決めるのは政治家です。私たちが民主的な選挙で選んだ政治家が決める形になります。実際にいくら私たちが予算を変えろと言っても、予算の割り振りは私たちが直接的に関与することはできません。ですから、選挙の時点から政治家がどれくらいSDGsや将来の持続的な社会を考えているか、マニュフェストを掲げているか、というところに着目していきたいです。私たちもSDGsの認知、メッセージとして政治家に伝えていかなければなりません。
この他たくさん質問が出るなど、アンバサダーの方々にとっても非常に有益かつ新しい学びとなる研修になりました。SDGsのゴールについては知っていても、それがいつ、どこでどのように、その進捗や課題について議論されているのか、までを知る機会はそう多くないかと思います。そういった点においても今回の研修で改めて、SDGsの奥深さ、その他プロセスの複雑さなどを学びました!
研修2番外編の詳しい内容や、その他の質問と答え、参加したアンバサダーを対象に実施したアンケート結果はこちらの報告書からご覧いただけます。
【SDGs Youth Ambassador Programについて】
SDGsユースアンバサダープログラムは、選抜された若者が主体となり、SDGsに関する推進活動を行うプログラムです。主に、SDGsの認知度向上を目指した学内活動の企画・運営を初め、JYPSのネットワークを用いたセミナー・勉強会、SDGsに関するデータ収集のための学内調査、国際機関・政府・NGO等の訪問(新型感染症の影響で変更あり)、2020年度第一回SDGユースサミットの運営を行っていただきます。今年が第一回目ということで、JYPS事務局とユースアンバサダーと共に試行錯誤しながら、有意義なプログラムの構築を目指します。また今回のプログラムは、居住地の制限なくアンバサダーへ参加していただくため、全てオンラインを通じて行われています。
詳しいプログラム情報や、アンバサダー情報は以下のリンクからご覧ください。
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