HLPF
概要
1992 年の地球サミットから20年を経て、ブラジル政府が,1992 年から20周年を迎える機会に,同会議のフォローアップ会合を行うことを提案したことを受け,2009年の第64回国連総会で開催が決定されたものが、持続可能な開発に関する国連会議(The UN Conference on Sustainable Development)/「リオ+20」です。
その成果文章「我々の求める未来 (The Future We Want) 」の中で,今までよりも強力なフォローアップ会議の必要に答えるものとして、High Level Political Forum (HLPF)の設置が宣言されました。
2013 年には、具体的なHLPFのモダリティを決める交渉が行われ、その内容は国連決議 67/290として採択されました。
HLPFとは、2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)に基づき、2015年の9月に国連総会において全会一致で可決された「2030アジェンダ」及びその中に掲げられているSDGs (Sustainable Development Goals) と呼ばれる国際目標や、仙台防災枠組み、持続可能な生産と消費に関する枠組み等の持続可能な開発に関係する国連枠組みに関して、各国の取り組み・進捗状況共有・実施の仕方を確認し加速させることを目的にした非常に重要な会議です。
HLPF2020
2020年7月7日から16日にかけてオンラインでHLPF2020が開催されました。
今年の会議のテーマは"Accelerated action and transformative pathways: realizing the decade of action and delivery for sustainable development ".で全てのゴールが包括的に扱われました。
HLPF2020ではcovid-19によるSDGsの進捗への影響とパンデミックへの対応について議論が行われ、COVID-19が世界の脆弱性を悪化させている時だからこそ、持続可能な開発目標に基づいた経済開発が重要であるという観点から多くの意見が述べられました。
JYPSはOfficial event(7/9): “Are we leaving no one behind in eradicating poverty and working towards the 2030 Agenda?”、VNR(Voluntary national reviews)、UNMGCY主催のイベント(A New System for a New World: Reality Check and Ways Forward for the post-COVID19 World)、HLPFサイドイベント“Webinar on Technology as a global public good and services for the Sustainable Development Goals”等に参加しました。
2020
2019年7月9日から7月18日にかけて、 "Empowering people and ensuring inclusiveness and equality". をテーマにHLPF2019が開催されました。2019年は以下のゴールが焦点を当てられました。
目標 4: すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標 8: すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいある人間らしい仕事)を推進する
目標 10: 国内および国家間の格差を是正する
目標 13: 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標 16: 持続可能な開発に向けて平和で包括的な社会を推進し、全ての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標 17: 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
JYPSはUNMGCYのSDG8である「働き方も経済成長も」の世界統括(GFP)としてプレナリーセッションにて若者だけでなく、社会全体が抱える仕事に対する問題や課題について会場へ言及しました。IGES (地球環境戦略研究機関)主催のサイドイベントにも登壇。また、「G20ユースサミット」にて作成された「G20ユースサミットユース宣言」を実際に国連のユース担当事務総長特使であるJayathma Wickramanayake氏へ提出しました。日本政府レセプションのJYPSブースでは意見収集を目的としたアンケート調査も行いました。
2019
2018年、 “Transformation towards sustainable and resilient societies,”というテーマの下、HLPF2018が開催されました。HLPF2018では以下6つのゴールが焦点に当てられました。
目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する 目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する
目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化 への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標17. 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
HLPFの成果文章である「閣僚級宣言」の交渉でJYPSは日本政府を通じて、若者に関する文章を大きく変更することに成功しました。 また、”Degrowth”についてのサイドイベントではJYPS顧問の小池がモデレーターを務めました。
2018
2017年7月10日ー19日にかけて、アメリカ合衆国ニューヨークにある国連本部で国連ハイレベル政治フォーラム(the UN High Level Political Forum for Sustainable Development Goals :HLPF)が開催されました。
今年の会議は「 Eradicating poverty and promoting prosperity in a changing worldー貧困をなくし、変化していく世界の中で繁栄を促進する」と題し、17個ある目標のうち、以下の7つの目標がレビューの対象となりました。
目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標9:レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
目標14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
JYPSもこの会議に参加し、日本政府や世界の政府に対し、アジェンダ2030実施において、より強力な説明責任と透明性を求めてきました。報告書はこちらのリンクからダウンロードできます。
2017
JYPSの参画
日本政府が策定した「SDG実施指針」の準備過程で,日本政府はパブリックコメントを募集しました.JYPSは若者の声を集めるためキャンペーンを行いました。詳細はこちら。
同時期に計二回にわたって開催された「持続可能な開発目標(SDGs)推進円卓会議」においては、市民社会の代表三名や外務省を通じて、「SDGs実施指針骨子」に対して提言を行いました。
2017年5月 「SDGsに関する日本の現状と政策・実施メカニズム」
日本政府がHLPFにて自主的国別レビューを行うのに合わせて,NGO,女性団体,障がい者団体を含む市民社会(SDGs市民社会ネットワーク)と共同で,カウンターレポート/シャドーレポートを作成しました.
ダウンロードはこちら 日本語版 / 英語版