2019年12月(2日〜13日)にスペイン・マドリードにて国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)が開催されます。
同会議では、2015年に開催されたCOP21で合意したパリ協定の実現に向けて、各国の目標に対する達成度のレビューや政策等が議論されます(UNFCCC COP25についてはこちら)。
そしてCOP25に向けて、昨日(11月27日水曜)持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(Japan Youth Platform for Sustainability:JYPS)は、小泉大臣・環境省職員との意見交換会に、JYPSの理事団体でもあるClimate Youth Japan(CYJ)と日本でも活発な動きを見せるグローバル気候マーチを運営するFridays for Future(Webページ)と共に参加しました。
また、NPOからはグリーン連合、CAN-Japan、e-シフト、気候ネットワーク、環境エネルギー政策研究所が参加しました。
[提言:COP25に向けて]
JYPSからはJYPS事務局の事務局長を務める新武志とJYPS加盟団体である国際資源・エネルギー学生会議(IRESA)の代表を務める樋口湧也氏が参加し、日本政府に対して今後の環境政策に関する提言を発表させていただきました。
提案内容は、①若者の意見を集約し、協働を促進するためのスペースの設置、②環境教育・環境問題解決に触れる機会の充実化、③再生可能エネルギー発電事業への市民・自治体の参画の推進、④バイオマス発電燃料調達に関する国際的なイニシアチブの結成と主導、⑤省エネルギー政策の見直しの5つです(詳細はこちらをご覧ください:COP25に向けたJYPS意見書)。
[小泉進次郎大臣のコメント]
各組織からの提言を発表を終えた後に、小泉大臣からコメントをいただき、私見では以下の四つの論点にまとめられると考えております。
① 石炭火力発電の活用は非常に勿体無い(日本の気候変動に対するコミットメントが相殺されてしまう)
② 日本の気候変動に対するコミットメントには国際社会から高い評価を得ている面もある(ネット・ゼロの推進、ESGファイナンス、TCSB、Science Based Target、RE100、G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組、プラスチックごみリサイクル率、来年度のレジ袋有料化等)
③ 我慢しない気候変動対策を目指したい(大臣はJYPS提言の引用をされ、犠牲による気候変動対策は持続的でないため、取り組みたいと思わせるような或いは誰でも自然に気候変動に取り組める風潮を作りたい)
④ 気候変動に取り組む一人として、皆仲間であり、一緒に気候変動対策を進めていきたい
[自由討議]
フリーディスカッションでは、主に以下のような意見交換が行われました。
① 気候変動危機に対する不十分な対策
② 石炭火力発電の増築と活用を何とか阻止・減退するための政策を進めることの現実可能性
③ 国民の気候変動の関心をあげるための施策
④ 気候変動枠組み条約締約国会議における日本ブースのブランディング戦略と工夫
④ 気候変動危機=経済危機という認識
⑤ 気候変動対策に向けた中・長期戦略(一貫性、バックキャスティング等)
⑥ 気候変動に取り組む若者は本気で気候変動を危機に感じており、必死に行動していることを理解してほしい
また、ディスカッションで特に印象に残った点として、気候変動という切迫している危機の真実を十分に伝えず、日本政府の取り組みの良い評価を伝えることに「違和感」を抱えているという意見がありました。
また、先日公表されたUNEP(国連環境計画)のEmission Gap Reportによると、すでに気温は1.1度上昇しており、2030年には3.2度上昇することが予測されています(詳細はこちら)。
このように、気候変動危機が迫る「地球」で、何十年と生き続けるのは今の若い世代です。だからこそ、今若者が立ち上がり、私たちの未来のために、何かを変えて行かねばならない。そう強く感じさせる意見交換会でした。
メディア
NHK:小泉環境相に学生が意見「もっと高い目標を」COP25前に(こちら)
参加団体
Climate Youth Japan
気候変動マーチ Fridays for Future
グリーン連合
CAN-Japan
e-シフト
KIKO Network(気候ネットワーク)
環境エネルギー政策研究所(isep)
Japan Youth Platform for Sustainability
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