みなさん、こんにちは!JYPS事務局員ニューヨーク支部の冨田です。現在広範囲での大雨警報や土砂災害警戒情報などが出ていますが、みなさんのお住まいの地域は大丈夫でしょうか??被災された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復興を祈っております。
さて、7月1日水曜日に「コロナと難民」に関するウェビナーを開催したのでご報告します💫
テーマは、コロナウイルス感染症パンデミックにおける日本国内の難民、難民申請者の方々の状況についてでした。特別講師として、認定NPO法人難民支援協会(https://www.refugee.or.jp)、代表理事の石川えりさんがお話してくれました。平日にも関わらず、55名ほどの方が参加してくれました。さらに、参加者の方々の熱心な質問がたくさん飛び交い、非常に有意義な時間になりました😊
ところでみなさん、「79,900,000」この数字が何を表しているかご存知でしょうか?これは今年の世界難民の日(6/20)に国連が発表した、世界の難民の数です。統計を取り始めてから、最大の人数となっています。
それでは、「44」こちらの数字が何を示しているのか、既にお分かりの方もいるかもしれません。これは昨年、日本が難民認定した人の数です。世界的に見て圧倒的に少なく、認定率も極端に低いのが、悲しくも日本の現実です。。。
日本が難民受け入れに消極的な理由の一つに、難民認定をするにあたっての審査が非常に厳しいということがあります。命からがら逃れてきた人々に、膨大な書類の提出を求めるのは現実的とは言えません。そのため、難民不認定率はなんと99%ほど。さらに難民と認定されるには平均3年、中には10年かかる人も。それまでは就労権が与えらないために、十分な衣食住を確保できずホームレスになってしまう人も多いそうです。このような現状はコロナウイルスパンデミック前からあったが、パンデミック後にはさらに深刻になっています。
現在、コロナの影響により日本への新規入国者が激減しています。しかし、コロナに関係なく人権侵害は起こっています。国内では、三密を避けるためにモスクなどの宗教施設が閉鎖しています。また頼っていた知人も収入が減り困窮してしまい、助けを求める先がない状態の人がたくさんいます。難民の方々も解雇されてしまったり、家賃を払えずに家を失った方もいます。さらに、携帯を持っていなかったり、ステイホームによってFree Wifiにアクセスできない、そして言葉の壁などがあり彼らが得られる情報は限られており、非常な不利な状況にあります。
このような状況の中、難民支援協会は様々な言語で情報を提供したり、衣食住の支援等を引き続き行っています。しかし、コロナ感染症拡大後に事務所に相談に来る難民の方々の人数は増えているのにも関わらず、感染対策のため事務所のスタッフの人数を減らし、ボランティアやインターン活動を停止せざるをえない状況にあります。
そんな中、近所のレストランが1日10食、難民支援協会にお弁当を提供してくれているなど、助け合いの場面も見られます。ステイホームが叫ばれる現在、多くの日本人が疎外感などの苦しみを感じていると思いますが、これは難民の方々はコロナ感染症拡大以前から強いられています。彼らは、紛争などの影響で一歩も家から出れない、そして他国へ逃れることができたとしても、知り合いゼロ、言葉も全くわからない環境だと家の外に出づらくなる、という経験を既にしています。これを機により多くの日本人が、難民の方々へ「共感」し、「関心」を寄せ続けることができればいいな、と思います。
石川さんもおっしゃっていましたが、「世論がないから仕方がない」と諦めるのでなく、一人一人が自分にできることを探して、行動に移す事がとても大切だと思います😌難民に関する記事を読む、国会の動きや新しい法案に関する議論に耳を向ける、など私たちにできることは必ずあります!!
投稿日:2020年7月10日(金)
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