2022年9月7日,8日の2日間に渡って、モンゴルの首都ウランバートルにて、NEAMSHF(NEA Multistakholder Forum on SDGs)が行われました。JYPS田中は若者代表として招待され、若者としての宣言文を発表しました。
目録
North East Asia Multistakeholder Forum on Sustainable Development Goalsとは
Youth Sessionについて
現地フォーラムとそのプログラム
現地参加してわかったこと(フォーラムの価値と課題)
【おまけ】プログラム後のUNESCAP代表との対談にて
1.North East Asia Multistakeholder Forum on Sustainable Development Goalsとは
国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)とUNESCAP北東アジア事務所(UNESCAP-ENEA)が主催する、北東アジアという準地域フォーラムです。そもそも、国連はSDGs達成のために世界を地域と準地域に分け、それぞれフォーラムを実施しています。JYPSはアジア太平洋地域の下の北東アジア地域に分類される枠組み内に属し、それらを統括する「アジア太平洋市民社会参画メカニズム (APRCEM)」に加盟しています。(毎年3月に地域フォーラムとして「持続可能な開発に関するアジア太平洋のフォーラム(APFSD)」が開催されます。)
2.Youth Sessionについて
本イベントはスケジュール順に
Youth Session(8月26日)
Civil Society Organizations (市民社会:CSO) Session(9月2日)
The Main Forum(9月7、8日)
の3つで構成されています。JYPS事務局員はオンラインで行われたYouth Session、CSO Session両方に参加し、ともに声明文の草稿に関わりました。今回、Youth SessionではJYPS加盟団体にもご登壇いただき、SDGs 6, 7, 9, 11, 17が、CSO SessionではSDGs 2, 6, 7, 9, 11, 17がテーマとして各国の状況が共有・議論され、最終的に宣言文としてまとめられました。
Youth Session ではJYPSのカウンターパートとして、SDSN Russia, SDSN Korea, モンゴルのユースプラットフォーム設立に関わっているメンバーが各国のSDGs達成に向けた現状を共有した後、各国の若者の活動事例をその団体から共有していただきました。 Sessionの後、声明文の草稿も各国のライターが協力して書きあげ、気候変動、COVID-19 パンデミック、軍事主義によって人々が苦しんでいること、為政者が個人的な利潤追求をしていることを前提に、今回のSDGsのテーマに沿って、大きく3点について言及しました。
3.現地のフォーラムとそのプログラム
9月7日8日の2日間に渡り、UNESCAP、国連モンゴル、モンゴル経済開発省によって現地フォーラムが開催されました。Youth Session、CSO Sessionで議論されたゴールに基づいて、各国の政府、NGO、国連によってそれぞれプレゼンテーションが行われました(本イベント公式HP)。本年はThe Main Forumが3年ぶりに現地開催とオンライン開催のハイブリット形式で行われました。本年の北東アジアの若者代表は日本、JYPSが担当することになっていたため、JYPS田中が現地参加しました。若者代表としての声明文の発表は2日目の閉会式の前のセッション13の3分間が与えられていました。
4.現地参加して感じたこと
今回、大変光栄な機会をいただき、フォーラムに出席させていただきました。しかし、このフォーラムのメリットだけでなく、デメリットも目の当たりにすることになりました。
フォーラム参加で学んだこと・フォーラム参加で見えた現実
現地参加のマルチステークホルダーと交流する機会に恵まれた。
モンゴルのCSOの声・モンゴルの情勢を直で聞くことができた。
モンゴルのCSO、国連職員、ロシアと韓国のCSO代表者と関係構築できた。
北東アジアという枠組みで各国のSDGsへの達成度合いを比較しやすかった。また、新たに国力の差、地理的な差を目の当たりにした。
フォーラムの課題モンゴルの官僚、政治家、各国の政府代表者(VIP)が出席しているのは1日目の冒頭だけで、プログラムが進行するにつれて欠席率が高くなった。
したがって、大半の出席者は国連職員、海外からの自分を含めた招待者(それもコロナ禍も相まって縮小傾向)、モンゴルのCSOの方々だった。
そのため、モンゴル語でのプレゼンテーションや質疑応答が目立ち、通訳が追いつかないこともあり、国際フォーラム、北東アジアフォーラムとは言い難かった。
つまり、ユースとして声明を発表したのはいいものの、本当に耳を傾けてほしい各国の政府代表者や政治家はいなかった。
また、そもそも「マルチステークホルダー」であるのに、経済界やアカデミアからの参加がなかった。
5.課題と展望
「4.現地参加して感じたこと」を踏まえて、最大の課題は北東アジアという政治的意義がなかなか国家に見いだせてもらえない環境をどうするかであると思います。これにはUNESCAPもかなり頭を抱えているようでした。CSO Sessionにも参加した身として、食糧安全保障のディスカッションでロシアCSOが出席してなかったことと比べれば、Youth SessionでYouthの連帯感は非常に強いものでした。そのため、北東アジアのユースが今後どのように連携し続けていくかが問題だと思います。
6.【おまけ】プログラム後のUNESCAP代表との対談にて
実は私を含め招待されていたCSOの代表者(モンゴル、韓国、日本)の働きかけにより、UNESCAPの代表と私を含めた代表者の対談が実現しました。そこでは以下の4つの議題について市民社会側から提議し、今後の本フォーラムのあり方として理解を示してもらうことができました。
各マルチステークホルダー同士の連携の上、本フォーラムの振り返り、評価制度といった様式を設定すること
本フォーラムにむけたユースや草の根の活動を支援し、アドボカシー育成プログラムを含めたキャパシティビルディング(組織的・基礎的能力の構築・向上)を行うこと
CSOに対しSDGsの達成に向けた政府や他のステークホルダーの取り組みをモニタリングするための経済的な支援を行うこと
本フォーラム実施中、もしくは以前に定期的な本フォーラムのステークホルダーとUNESCAP-ENEA間の対話を実施し、北東アジアのCSOが各政府代表者との対話を支援すること
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