駐日欧州連合代表部とW7 ジャパンの共催によって6月26日(月)16時半から、ヨーロッパ・ハウスにて、「G7ジェンダー平等担当大臣と市民社会の対話」が開催されました。
今回のイベントは、6月24日・25日に栃木県・日光で行われたG7 男女協同参画大臣会合のフォローアップとして開催され、EU諸国の大使、大臣、日本及び G7 各国等からの市民社会代表が招待されました。またユース代表としては、我々JYPSやNo Youth No Jpaan、グリンピース・ジャパンの代表者がが集まりジェンダー平等と人権、女性のリーダーシップ、に関する対話を行いました。
今回の対話では、以下の6つテーマについて議論されました。
1. ダイバーシティ(インターセクショナリティ、 障害、LGBTQI+、民族, 包摂)
2. 暴力の撲滅および身体の自律性
(ジェンダーに基づく差別、紛争に起因する性暴力、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)
3. 経済的正義(ケア・エコノミー/アンペイドケアワーク、ディーセントワーク、十分で廉価な公共ケアサービスなど)
4. デジタル技術と女性
5. アカウンタビリティ・メカニズム及び財源
6. 意思決定における女性のリーダーシップと参加
テーマ別対話のあと、未来に向けた展望として各団体からの発言枠が設けられ、各ユース団体代表からW7におけるユースの参画がいかに重要なことであるかについて発表がありました。JYPSとしては、今年のW7の実績を評価し、ユースがW7の実行委員として関わったこと、W7 Youth Consultation Conferenceを主催し、若い世代の声を積極的に取り入れた実績を紹介しました。さらに、W7サミットにおいてJYPS事務局員森井が小倉 男女共同参画・女性活躍担当大臣に重要な質問を行った点を上げたうえで、ユースの参画なしにジェンダー平等は達成することはできないことを強調し、今後のG7の会合において、積極的な女性と若者の参画を求めました。
今回の対話では交差性が一つのキーワードになっていたように感じました。W7では、交差性(Intersectionality)をジェンダー、人種、民族、性的思考、性自認、障害と能力主義、階級等の差別に基づく不平等が交差的に作用することで生まれる状態や効果と定義しています。印象的だったのは、DPI女性障がい者ネットワーク(DWNJ)、視覚障害をおもちの藤原久美子さんのご登壇でした。今までの一般的な男女平等について議論する際は、健常な女性が議論の中心に置かれ、障害を持つ女性は議論から除かれることが一般的でした。しかし、今回の対話では他の女性団体と同等の立場で発言の立場をもち、障害女性の介護における性差別や妊娠、出産、育児に複合差別を訴えました。
また、今回のイベントの大きな特徴として考えられるのは、ユースの枠が設けられたことだと思います。これまでは、ユースは知識量や経験の点においてに軽視されやすく議論の外に置かれてきましたが、近年徐々に声を上げるユース団体が出てきたことで、今回の対話への招待につながったのではないかと思います。とりわけ今回のテーマの一つである「デジタル技術と女性」は、若者が非常に関連があるテーマです。「ユースの参画なしに、男女平等は達成し得ない」というJYPS共同事務局長の田中の考えはまさにそうであると感じました。
今後も、このように交差性を考慮して、障害、年齢、ジェンダー、国籍などを飛び越えて議論していくことが重要です。JYPS事務局員として、今後の国内、国際的な会合において、交差性を考慮した、若者の意見発信をしていくことの重要性を再認識することができました。
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