マドリード滞在2日目は、COP25の会場ではなく、同市内の別会場で行われているSocial Climate Summitに参加してきました。
こちらは、COPで議論されていること、また、COPのメカニズムそのものに対して、異論を唱える人たちが、開催しているサミットであり、事前登録も必要なく参加できることから、真に開かれた議論の場と言えます。
昨年、JYPSが開催した”G20ユースサミット”とコンセプトは似ていると言えます。
では、参加したイベントの内容を紹介していきます。
”Lecture to innovative and clean technology demands a new mindset”
こちらのセッションでは、具体的に気候変動に関連する課題についてではなく、変化を起こす際に必要なマインドを紹介していました。
革新的な変化を起こすには楽観的な思考持つ必要があり、具体的には、自然との繋がりを定期的に持つこと、人との対面コミュニケーション、そして自ら静まること、を紹介していました。
具体的に、静まるための手段として瞑想が効果的とのことで、セッションの最後に参加者で実践しました。ただ、私は、講師の声が心地よすぎて、寝そうになってしまったため、途中で退散することに。
(参加者が冥想している様子)
2.“CAN Arab World - Arab youth: A vision for an energy transition in the Arab world. The Arab world has potential for 100% renewables: Good bye oil”
こちらのセッションでは、中東出身の若者が、中東地域で再生可能エネルギーにどのように移行していくのか、調査結果をまとめたポジションペーパーについての解説を行ったのちに、参加者からの質疑応答・議論に移りました。
定量的なデータを紹介しながらの発表が興味深かったのはもちろんのことですが、その後の質疑応答にて投げかけられた質問がとても批判的でした。
印象的であったのは、
「現在の再生可能エネルギーへの移行システムのままでは、新たなインフラを建設することが前提となっており、結局消費する資源・エネルギーが減少しない可能性があること」や、「再生可能エネルギーの普及に欠かせないとされるリチウムイオンバッテリーの製造に関わる資源採掘では、温室効果ガスの排出以外の環境負荷が増大していること」が批判的な意見として挙げられ、白熱した議論となりました。
最後に、主催者側から、中東の国々では民主主義体制が整っておらず、現行のシステム対して反対意見を主張できる環境にな
いことが補足されました。
西欧諸国や日本では、言論の自由が保証されており、デモを行うことも可能ですが、そのような「当たり前」の環境を持っていない地域があることを改めて、認識しました。
(講演の様子)
3. ”Plenary Assembly: Rapporteurship of the day on COP25 and the Social Summit for Climate and Special Theme”
最後のセッションは、大学の教室ではなく、外に設置されているテントで行われました。
参加者は多くありませんでしたが、みんなで円になって座り、環境問題に関連したトピック(教育、交通、メディアなど)に対して、お互いの意見を話し合うという形でした。何人かに共通していたのは、現在の資本主義的経済システムから脱却していくことが大切との意見でした。
最後のセッションということもあり、リラックスした雰囲気の中、懇親会に似た形式で行われました。
(参加者が円形に座り、中央の女性が話すのを聞いています)
また、寄付制の食事も提供され、議論で疲れた身体を癒すこともできました。
規模はCOP25の本会場と比較すると当然小さいものの、自らのしっかりした意見を持っている人が集まっており、とても楽しい一時を過ごせました。
来年度のCOP26でも開催するとのことなので、来年参加される方はぜひ寄ってみてください。
(寒い中の美味しい食事を調理してくれた方々に感謝)
もちろん皿洗いは各自だが、水は指が凍るほど冷たい)
(セッションで会ったバルセロナやアルゼンチン出身の友人たち)
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