2016年に持続可能な開発目標(SDGs)の実施が世界中の国々で始まりました。2030年に向けて、SDGsの進捗状況を検証するために年に1度開催されるのがハイレベル政治フォーラム(HLPF)です。今回は、HLPFにおいて重要な役割を占める、自発的国別レビュー(Voluntary National Review)について見ていきます。
Voluntary National Review (VNR)とは、各国がSDGsの進捗状況に関する自主的報告を行う国家主導の定期的レビューです。SDGs実施における様々な経験を共有し、進捗を確認し推進する場としてプロセスの中心に位置づけられており、HLPFの閣僚会議で発表されます。
先進国と発展途上国の両方によって行われ、2030年までにそれぞれの国が決定したタイミングで2回まで実施することになります。昨年VNRの対象になったのは、ドイツ・フランス・中国・韓国など22カ国で、本年度の対象は44カ国に上ります。
会議における各国の報告時間は15分程度で、国が共有を希望するグッドプラクティスや課題・SDG推進に向けた国内の基盤づくりのプロセス・次のステップとしての今後の取組等が共有されます。しかし、決められた枠組みが存在しないため、NGO/市民社会からは良い面ばかりに焦点が当てられ、課題を明確化させる機能が果たされていないとの指摘もされています。
本年度のVNRは、日本も対象国となっており、プレゼンテーションでは「パートナーシップを通じた、日本の強みを活かしたSDGs達成のための取組」について発信される予定です。また、VNR以外の場でも日本の取組を積極的に発信するという観点から、サイドイベントや日本政府主催レセプションの実施も検討されています。
JYPSはHLPFにワーキンググループを派遣し、若者の立場から国連への政策提言を行います。現地からHLPFの様々な情報も発信していきますので是非ご注目ください。