HLPFに向けて、着々と準備が進められている中で、やはり注目されるのが採択される成果文書の内容でしょう。今後のSDGs達成に向けて、より強いコミットメント、そしてより具体的な施策がステークホルダーから求められている中、どこまで文書内にその内容を残すことができるのか。今回は、そんな成果文書について簡単にご案内しましょう。
成果文書とは?
国連などの会合や外交で採択され、その会合での成果をまとめた文書を“成果文書”と呼ばれます。成果文書には、世界が抱える喫緊の問題や世界の責任、問題に対する解決案の方向性など、多岐に渡る内容が記載されます。
現在、HLPF時の成果文書を採択に向けて、現在着々とドラフトと呼ばれる文書が作成されています。このドラフトの内容には、各国政府からの意見書に加えて、関連会合での成果文書、主要ステークホルダーからの意見書などが勘案されており、数回の関係者間でのレビューを経て、最終化されます。
どうして成果文書が重要なのか?
このような成果文書は、わかりやすく、かつ簡潔に記載しなければならず、記載できる内容には制限があります。そのような制限の中で、多くのステークホルダーの便益に適う包括的な内容になっていないといけません。上記であげた通り、成果文書に記載される事項は、ステークホルダー、政府、国連の検討に検討を重ねた結果であり、そのため、文書の内容以上に文言一つ一つが大きな重要性があるのです。
成果文書ドラフトのサマリー
現在のドラフトでは、特に以下2点において重要性が強調されています。
若者や子供、女性を含むマルチステークホルダーの重要性の認識:
特に若者と子供を将来変革をもたらす存在として認識。また、彼らをレビュープロセスまで組み込むことへのコミットメント。2つのパラグラにおいて、若者と子供の重要性が強調され、また政策提言やレビュー時まで声を反映することなど、具体的な方向性も示された。
パートナーシップ強化によるイノベーションの促進:
コミュニケーションの促進、ITの活用になるナレッジの共有による、パートナーシップを強化し、イノベーションを促進させる。複数のパラグラフにて同様の内容が繰り返し強調されたことから、多くのステークホルダーがパートナーシップ強化を求めていることが読み取れる。
若者の声をさらに高めよう
今回の成果文書のように、子どもと若者の声を、国連レベルでの議論の中に、また成果文書の中に反映することは、非常に重要であります。今回JYPSは、子どもと若者メジャーグループ(UNMGCY)の一員としてHLPFに参画をします。今後も、子どもと若者の声の高まりを集めるため、JYPSはUNMGCYと協働し、国連への政策提言活動を行っていきます。ぜひ、今後のJYPSの活動にもご注目ください。
(Retrieved from: Cia Pak, Flickr, SDGs Projections)