防災・減災/Disaster Risk Reduction
防災(Disaster Risk Reduction: DRR)とは?
突然ですが、皆さんは学校や職場で「防災訓練」を行った経験はありませんか?きっと少なくとも1度は経験があるはずです。このように、自然災害大国日本で暮らす我々は、幼い時から身近に「災害」(日本で言えば特に地震)というものがあることを意識しながら生活しています。例えば今現在の脅威で言えば、首都直下型地震と言われる相模トラフ沿いで起きるマグニチュード7クラスの地震が、今現在も含めた今後30年のうちに70%の確率で発生すると言われています。日本で暮らす、すべての人々が今この時も被災者になる可能性があります。このような自然災害の脅威に対し、そもそも被害が出ないよう社会を強くし、生命を守り、そしてそこから素早く立ち直る為の考え、実践として「防災・減災(Disaster Risk Reduction: DRR)」があります。
世界におけるDRRの潮流
この持続可能な社会の実現のための一つの大きな「防災・減災」に関する指針・枠組みとして、「仙台防災枠組み(SFDRR)」があります。これは、2015年に宮城県の仙台市で行われ、合計187か国から首脳級25人、閣僚級100人以上を含む、6500人以上が来場、会全体としては約15万人が参加した第3回国連防災世界会議(WCDRR)において採択されました。この会議で示された通り、「防災・減災」は国際社会全体において注目度が高まってきています。国際社会はそのコミットメントを確実にするため、途上国・先進国共に目指すべき持続可能な社会を実現するための開発目標である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」においても「防災・減災」に言及しています。
具体的には、目標11の「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」の中のターゲット5及び11.bにおいて、災害による被災者数の軽減や災害に対して強靭な都市を目指す旨の記述が明記されています。
つまり、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現のために「防災・減災」が地球上全ての人にとって、必要不可欠であると言われています。
仙台から広がるユースの活動
若者もただの犠牲者には留まらず、自分の住む町やコミュニティを災害に強くするため、様々な活動に取り組んでいます。WCDRRでは、日本ユースは「日本ユース防災宣言」という、幅広い分野の若者世代同士で防災に取り組んでいくための行動指針を作成しました。この宣言は実行に移され、例えば「Bosai Youth Link」という日本のユース向け防災情報プラットフォームを作成したり、2016年の伊勢志摩サミットでは、この「日本ユース防災宣言」のフォローアップとG7各国の問題に特化した指針のための、「G7ユースサミット宣言文」の策定に貢献したりしました。さらに2017年11月に仙台で開催されるダボス会議とコラボレーションした「世界防災フォーラム」でも、日本の若者が様々な分野で活躍することが期待されています。
日本を取り巻く国際的なユースのムーブメントとしては、JYPSが加盟している「国連子ども・若者メジャーグループ(UN Major Group for Children and Youth: UNMGCY)」がリードをして流れを作ってきました。WCDRR での交渉はもちろんの事、アジアで年1回開催されている防災・減災アジア閣僚級会合への参画や、2016年に「防災・減災」と非常につながりが深い「都市計画や住居問題」に関する第3回国連人間住居会議への参画、加えて2017年5月にはメキシコのカンクンで開催された国連防災グローバルプラットフォーム会合への参画を行ってきました。
独りでは達成できない、災害に強い社会を作るためには、多くの人々の協力が大切です。防災や災害現場で頑張る若者の経験や意見が、政策意思決定に反映されるかは、私たちの「政策提言力(アドボカシー力)」に懸かっています。一緒に政策自体をより災害に強いようしていくためのキャンペーンに参加しませんか!?